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2015年, フランス, 監督 : ロール・デルサル, 共同制作:Yuzu Productions / Arte France

 

「借金をすること」は現代に生きる人々にとって重要な生活手段となっている。家や車の購入も学費の支払いも、負債のシステムなしでは暮らしは成り立たない。国の場合でも、国債の発行は公共事業や社会保障を確保するのに欠かせない。
しかし、国や社会は負債に依存し過ぎではないだろうか?際限なく負債が積み上がり続けることに対し、私たちの感覚は麻痺してはいないだろうか? 各国の国債の規模は膨らみ続け、2009年の金融危機がさらに拍車をかけた。その際、多くの大手銀行が国の支援によって救われたが、問題の核心は解決されなかった。2007年に発覚したギリシャ債務の虚偽報告をきっかけに、債務問題は「ユーロ危機」として欧州全体に波及した。そして、EU政治は混迷を極めた。
このドキュメンタリー映画は現代の社会経済にとって不可欠となった債務の問題をその根本から問い直す。デルサル監督は欧州を駆け巡り、さまざまな専門家にインタビューを試みた。人類学者のデヴィッド・グレーバー、仏国民議会議員のカリーヌ・ベルジェ、ロンドンの政治経済学者アン・ペティフォー、フランスの経済学者ベルナール・マリスとトマ・ピケティ。「貨幣の私有化」を強く批判するマリスは、2015年1月のシャルリー・エブド襲撃事件で命を落とした人物だ。
債務の問題は現代世界が直面している様々な現象 ー「ポピュリズム」の広がりや極右政党の台頭、富裕層と庶民の間で深刻化する経済格差 ̶̶とも無関係ではない。「経済学者のゲーム」のルールは、私たちが気付かないうちに日常生活の中に浸透した。私たちは、巨大な「経済マシーン」から果たして解放されうるのだろうか?

 

※上映後、 ロール・デルサル監督と西谷修(立教大学)によるトークセッションあり。

 

 

【上映会&デルサル監督を招いてのセッション】※入場無料, 自由席(先着順)

  • 6月24日(土)13:30~16:00 /早稲田大学 26号館 多目的講義室
    【コメンテーター】中山智香子(東京外国語大学)
  • 7月1日(土)14:00~16:00/岡山大学津島キャンパス 文法経1号館 2F会議室
    【コメンテーター】松村圭一郎(岡山大学)

【司会】村松恭平(東京外国語大学)

【共催】カルチュラルスタディーズ学会(カルチュラル・タイフーン2017)、 岡山大学文学部プロジェクト研究「映像表現と人文学」

【後援】在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本

 

 

 

 

06
26
  • 2017-06-26 - 2017-06-26
  • 19:00
  • 開場:30分前
  • 入場無料。先着順。
  • アンスティチュ・フランセ東京(03-5206-2500)
  • アンスティチュ・フランセ東京 エスパス・イマージュ
    〒 162-8415
    市谷船河原町15 新宿区 東京都

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