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遠く離れたフランスの豊かな文学作品を日本の皆様にお届けするために2008年に誕生した「読書の秋」は、今年で15周年を迎えます。

15回目となる本年は、10月20日から11月23日までの一ヶ月間、日本全国でさまざまなイベントが開催されます。フランス語で書いたアイルランド人作家・劇作家サミュエル・ベケットに関する作品でゴンクール賞(初めての小説部門)を受賞した小説家マイリス・べスリー、日本をこよなく愛する小説『優雅なハリネズミ』で世界に知られたミュリエル・バルベリー、そしてフェミニズム思想の旗手であり、女性の社会的役割を問うジャーナリストでエッセイストのモナ・ショレ(『運命の女性』、『魔女』)、そして最後に、ロワール地方でフランスワイン生産のノウハウを発見しようと筆を片手に旅する漫画家、散歩者、観察者であるエティエンヌ・ダヴォドーという、フランスの文学・知識界を代表する4人の作家がこのフェスティバルに招聘され、1ヶ月間に亘りフランスからの4人の作家が現代日本の思想家や作家と出会い、語り合います。

そして皆様に彼らの文学作品や芸術の世界を見て聞いて共有する機会とともに、文化交流と芸術的発見のための特別な機会をご用意しております。

学生、家族連れ、読書家、初心者の皆様がフランス文学を知る機会として、またとないチャンスです。招聘作家、イラストレーター、アーチストたちが特別に企画した講演会、ワークショップ、討論会、映画上映会で、彼らの作品を見て、彼らの言葉を聞くためにどなたも是非ご来場ください。

この機会に、フランスを今までとは違った視点で見てみませんか?新しい文学の季節が、皆様にとって素晴らしいものとなり、お楽しみいただけますように願っております。

駐日フランス大使
フィリップ・セトン

読書の秋2022
画像 : エティエンヌ・ダヴォドー(2022年)

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「読書の秋」について

今年は2022年10月20日(木)~11月23日(水)までに「読書の秋」を開催します。4週間に亘り、すべてのアンスティチュ・フランセとアリアンス・フランセーズが、日本全国で現代文学とバンド・デシネの祭典を開催し、創造性と和気あいあいとした雰囲気の中で、日本の皆様に楽しんでいただきたいと願います。フランスと日本の作家との対談、サイン会、映画上映、ワークショップ、講演会など、様々な出会いを演出いたします!

「読書の秋」は、日本における現代フランス文学の振興と普及、日本の著名作家や一般市民との対話、そして日本の出版社によるフランス書籍の翻訳支援を目的として、創設以来、日仏の文化・文学シーンに定着し、長年にわたり日仏文学界の年間行事として確立しています。

ゲスト作家

小説家のマイリス・べスリー、ミュリエル・バルベリ、ジャーナリストでエッセイストのモナ・ショレ、漫画家のエティエンヌ・ダヴォドーという、フランスの文学の世界を代表する4人の作家を招聘いたします。

 

ミュリエル・バルベリミュリエル・バルベリ

1969年生まれのミュリエル・バルベリは、Ecole Normale Supérieure (高等師範学校)を卒業し、哲学の学位を取得している。15年間教鞭をとった後、執筆活動に専念する。ガリマール社から出版された4つの小説 『至福の味』(2000)、『優雅なハリネズミ』(2006)、『La Vie des elfes』(2015、未邦訳)、『Un étrange pays』(2019、未邦訳)とアクテ・シュッド社出版の2作、『Une rose seule』(2020)と『Une heure de ferveur』(2022、未邦訳)を著わしている。現在はトゥーレーヌ地方在住だが、2008年と2009年は京都に、2012年から2014年まではアムステルダムに在住していた。日本での体験は、彼女の人生と作家としての想像力に深く刻み込まれた。

マイリス・べスリーマイリス・べスリー

1982年フランス、ボルドー生まれ。ラジオドキュメンタリーのプロデュ―サーとして活躍後、2020年2月に本作『ベケット氏の最期の時間』がガリマール社より刊行されデビュー。同年ゴンクール賞最優秀新人賞を受賞した。

モナ・ショレモナ・ショレ

モナ・ショレはフランスで活躍するスイス出身のジャーナリスト、編集長。著書に Sorcières (『魔女』)、Beauté Fatale (『致命的な美』)など。最新作 Réinventer l’amour (『愛を作り直す』) は2021年11月の発売以来、ベストセラーとなっている。

エティエンヌ・ダヴォドーエティエンヌ・ダヴォドー

フランスの漫画家。1992年『サルティエルの友達(Les Amis de Saltiel)』で漫画家デビュー。その後、小説やルポルタージュを漫画で表現するようになる。扱うテーマは、政治や歴史的に重要な人物、または現代の魅力溢れる人物など多種多彩である。2013年、代表作『素顔の素顔のルル(Lulu femme nue)』がソルヴェイグ・アンスパック監督により映画化される。その他、代表作に『農村! (Rural! Chronique d’une collision politique)』(2001)、『モージュの人々(Les Mauvaises gens)』(2005)、「我らが幼少時代の愛しき国(Cher pays de notre enfance)』(ブノワ・コロンバ作、2015)などがある。最新刊は『土地の権利(Le Droit du sol)』(2021)。本作 Les ignorants(『ワイン知らず、マンガ知らず』)は、2012年のアングレーム国際漫画祭の公式セレクションにノミネートされ、世界的な知名度を得ることとなる。

2022年プログラム(地域別)

札幌

10/30 [対談] エティエンヌ・ダヴォドー氏との講演会 「ワイン知らず漫画知らず」で紹介されたワインのテイスティング
上映会 『素顔のルル』 日付: アリアンスフランセーズ札幌にお問い合わせください。

 

仙台

10/29 [ワークショップ]「現実を描く」
上映会 『素顔のルル』日付: アリアンスフランセーズ仙台にお問い合わせください。
11/19 [講演会]マイリス・ベスリーを迎えて アリアンス・フランセーズ 仙台

 

東京

11/2 エティエンヌ・ダヴォドー x 原正人×大西愛子による対談と、ワインテイスティング、サイン会
11/9 モナ・ショレ×東京カレッジ講演会 「現代の女性と中世の魔女ーフェミニズムへの新たな視点」
11/10 モナ・ショレ×上智大学 講演会  声を上げる女性はなぜ、叩かれるのか
11/23 ヨーロッパ文学祭 “100 years of European Literature, Europe then and now” にマイリス・べスリー x ドリアン助川

 

横浜

10/28 [対談]エティエンヌ・ダヴォドー x 島村菜津(ノンフィクション作家)「環境に感謝」
11/11 [対談]「日本とフランス:男女平等について」 モナ・ショレx小田舞子

 

名古屋

11月 上映会 『素顔のルル』
11/14 [対談] ミュリエル・バルベリ x 平野啓一郎 「京都を愛するいくつかの方法」
11/18 モナ・ショレ x 松尾亜紀子 「魔女とは誰のことか」

 

京都

10/20 女性に対するハラスメントを描く-バンド・デシネ「クロコダイル」の作者、トマ・マチューの講演会とサイン会
10/22 『ワニ』はどこにでもいる-マンガで考える性暴力― 京都国際マンガミュージアム
11/5 [アトリエ]バンド・デシネやマンガを翻訳しましょう!
11/6 エティエンヌ・ダヴォドー × 尾瀬あきらトークショー 「マンガと酒,そしてワイン」
11/12 [対談]モナ・ショレ x 木村朗子歴史と文学による女性の表象と社会的統制
11/17 [講演会xサイン会]ミュリエル・バルベリとの面談、およびサイン会 大垣書店
11/20 マイリス・ベスリーのテキストによってのディクテ(書き取り)コンクールを開催 !

 

大阪

10/29 [対談]漫画「わすれられたブルゴーニュ」 を囲んでの講演会とワインのテイスティング
上映会 『素顔のルル』11/19
11/15 [講演会]マイリス・ベスリーを迎えて 関西学院大学

 

九州

11/5 ワインとマンガのマリアージュ:エティエンヌ・ダヴォドー、 ワイン生産者・宮城秀和氏との対談
「エティエンヌ・ダヴォドー展」開催 北九州市漫画ミュージアム
11/17 モナ・ショレ 講演会
主催:アンスティチュ・フランセ、アリアンス・フランセーズ、フランス大使館
助成:笹川日仏財団
パートナー:BCFフランス著作権事務所、京都国際マンガミュージアム、京都精華大学国際マンガ研究センター、北九州市漫画ミュージアム、関西学院大学、紀伊国屋書店、サウザンブックス、Futuropolis、早川書房、ガリマール、ヨーロッパ文芸フェスティバル
在日フランス大使館アンスティチュ・フランセ/アリアンス・フランセーズ笹川日仏財団BCFフランス著作権事務所京都国際マンガミュージアム京都精華大学国際マンガ研究センター北九州市漫画ミュージアム関西学院大学紀伊国屋書店サウザンブックスFuturopolis早川書房Gallimardヨーロッパ文芸フェスティバル