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ご挨拶

15年前より回を重ねてきたフランス文学の祭典「読書の秋」が、今年もまた10月27日(水)から12月2日(土)まで開催されます。16回目となる今年、人間と生物、そして環境との関係を表す「エコロジー」に焦点を当て、エコロジーのみではなく、その関係を発見、あるいは再発見する手段としての本や著作を探求する4人の作家やイラストレーターを招聘します。

フランスおよびフランス語圏の現代書籍の豊かさや活力を、日本の観客、読者、文学界のプロの皆様にご紹介するために、2023年の読書の秋は、ワークショップ、対談、講演会などの特別なプログラムを通して、児童文学、ドキュメンタリー、討論会に光を当てます。創造的で詩的なこれらの出会いの特別なひとときは、日仏の作家の方々、そして皆さまとの絆をつくる機会となることでしょう。そして日本語とフランス語で文学作品を読み、耳を傾け、現代作家との交流の場を共有することになります。

ここに、招聘作家の皆様、及びパートナーの皆様の貴重なご協力に、心より感謝申し上げます。皆様が、素敵な読書の秋を過ごされますよう、 願ってやみません 。

 

駐日フランス大使

フィリップ・セトン

「読書の秋」について

 

「読書の秋」は、現代フランス文学の促進・普及を目的として日本にフランス文学界の専門家を招聘するために2008年に創設されたフェスティバルです。フランスと日本の作家、及び一般市民との対話を通して、フランスの現代文学、青少年文学、バンドデシネ及び人文科学をはじめとして、日本の出版社のフランスの書籍の翻訳出版を支援することと目的としています。2023年の「読書の秋」はフランスの作家の招聘を再開し、新しいハイブリッド形式で開催します。討論会はフランスの作家と日本の登壇者をオンラインで繋ぎ、東京日仏学院で会場参加頂くと同時に、全国の日仏学院・学館とアリアンス・フランセーズでも配信され、日本の皆様が対話に参加することができます。また、今年も11月の1ヶ月間、下記の紀伊国屋書店にて、フレンチコーナーを開設し、全国であらゆるジャンルのフランス書籍と翻訳書をお手に取って、読書とフランス文化をお楽しみ頂けます。

  • 札幌本店
  • Books Kinokuniya Tokyo*11月中旬~12月中旬。(フランス書のみ)。
  • 新宿本店(東京)
  • 横浜店* 11月21日まで。
  • Mozo ワンダーシティ店(名古屋)
  • 梅田本店(大阪)
  • 徳島店
  • 福岡本店* 10月中旬~11月中旬

 

招聘作家・イラストレーター

 

アンスティチュ・フランセのグローバル討論部門の活動の一環として、2023年に刊行した小冊子「新しい暮らし方に目覚める」で紹介したエコロジーというテーマに合わせて、「読書の秋」2023は、自然環境や人間環境との関係性を問い、その作品を通して探求する3人の招聘作家やイラストレーターを迎えます。

 

Hélène Druvert – ©Emilie Drouinaud

エレーヌ・ドウルヴェール

Hélène Druvert

1981年生まれ。デュペレ応用美術学校(パリ)においてテキスタイルデザインを勉強してから、10年間以上探究しているイラスト及び切り絵の技術を確立した。現在は、パリとアトリエのあるバスク地方を拠点に活動する。主にポエトリー、幼少期、自然及び日常生活で見える日影と光からインスピレーションを得て、新しい絵本、絣、そして紙作品を創作する。

2015年には、初めて切り絵の技術を用いた絵本である『Paris s’envole(空飛ぶパリ)』で児童書大賞「本の夜」賞を受賞している。さらに『世界で一番美しい切り絵人体図鑑』(エクスナレッジ)で2017年の「ボローニャ・ラガッツィ賞」ノンフィクション部門最優秀賞を受賞した。邦訳書には他に『出産を巡る切り絵・しかけ図鑑』『海洋を冒険する切り絵・しかけ図鑑』『天空を旅する切り絵・しかけ図鑑』(以上、化学同人)がある。もっとも最近に刊行された『Végétal』は、邦訳がまた2024年に出版予定。

 

Claire Oppert – ©Astrid di Crollalanza

クレール・オペール

Claire Oppert

パリにてアーティストと医者の家系に生まれたクレール・オペールは、チェリストであり、1993年にモスクワ音楽院を卒業。ソルボンヌ大学にて哲学の学士とトゥール大学の医学部にて芸術療法の資格を取得。自身を音楽看護師として位置づけ、医学界及び科学分野で認められた著書『シューベルトの手当』により一躍有名になる。本書には20年近く、自閉症、認知症、あるいは末期患者など痛みに苦しむ人々に寄り添い続けてきた経験がつづられている。彼女の本は2021年の第3回音楽文学賞を受賞、英語圏、ドイツ、イタリア、中国で紹介され間もなく日本語訳もアルテスパブリッシングより11月24日に出版される予定。一連の対談や演奏付き講演会などをとおし、クレール・オペールは看護師、音楽家(プロ・アマ問わず)、専門家、読者や一般の人たちを対象に、音楽の実践だけでなく、広い意味で創造すること、また病に直面した私たちと他者との関りや向き合い方について、新しい視点を投げかけてくれる。

 

 

Alain Corbin – ©Jérôme Panconi

アラン・コルバン

Alain Corbin(オンライン参加)

1969年から1980年まで、トゥール大学教授として現代史を担当。1987年よりパリ第一大学教授として19世紀史の講座を担当。パンテオン・ソルボンヌ大学の名誉教授、そして19世紀フランスの歴史の専門家であるアラン・コルバンは、感性の歴史という新領野を拓いた歴史家。「においの歴史」(Aubier-Flammarion, 1982、藤原書店1990)、「浜辺の誕生 : 海と人間の系譜学」(Aubier-Flammarion, 1988、藤原書店1992)をはじめ、数多くの著作を出版、15以上の言語で翻訳された。

 

 

2023年イベントプログラム(地域別)

札幌

11.11 16:30~18:30 エレーヌ・ドゥルヴェールによる「切り絵ワークショップ」/サイン会付き アリアンスフランセーズ札幌

 

仙台

11.16 10:00~12:00 エレーヌ・ドゥルヴェールによる「切り絵ワークショップ」/サイン会付き アリアンスフランセーズ仙台

 

東京

11.3 18:30~20:00 アラン・コルバンと堀江敏幸(作家)とのハイブリッド対談

「自然と付き合うこと」。司会:小倉孝誠

東京日仏学院、
エスパス・イマージュ

11.26 10:00~12:00 エレーヌ・ドゥルヴェールによる「ポップアップワークショップ」 代官山蔦屋書店、シェアラウンジ
14:15~16:15 エレーヌ・ドゥルヴェールによる「ポップアップワークショップ」

東京日仏学院、
メディアテーク

11:00~18:30 「青少年向けの文学、(皆が楽しめる)現代ヨーロッパ青少年文学の素晴らしい世界」- 2023年ヨーロッパ文芸フェスティバルにおけるイベント

  • 11:00~11:30:チューケ・キッティによるバイリンガル朗読会(ハンガリー)
  • 11:40~12:10:バイリンガル朗読会(アイルランド)
  • 13:30~14:00:ヤン・パウル・スクッテンと野坂悦子によるバイリンガル朗読会(オランダ)
  • 13:00~13:40:チューケ・キッティによる発表会「夢が叶うとき」
  • 14:00~15:30:三辺律子、チューケ・キッティ、ヤン・パウル・スクッテンとの鼎談「文学を通して青少年に語るということ」
  • 16:00~17:00:櫻井英子による講演会「リトアニアの児童文学」

東京日仏学院、
メディアテーク、
エスパス・イマージュ

17:10~18:30 エレーヌ・ドゥルヴェールとヤン・パウル・スクッテンとの対談「文学への好奇心を築く:世界の不思議をめぐる子供向けノンフィクション」。司会:広松由希子

東京日仏学院、
エスパス・イマージュ

11.28 19:00~20h30 クレール・オペールと荒牧小百合(ソプラノ歌手)との対談

「医療関係芸術家であること」/サイン会付き

東京日仏学院、
エスパス・イマージュ

11.29 14:00~15h30 プロ用のイベント、エレーヌ・ドゥルヴェールとの対談。司会:松岡希代子 板橋区立美術館

 

横浜

10.27 18:00~19:15 堀茂樹(翻訳者)による講演会「アニー・エルノーの文学的アンガージュマンとは何か-エルノー作品の社会学的側面について考える」 横浜日仏学院
11.28 16:30~18h00 パートナー用のイベント、横浜市立みなと総合高校にてエレーヌ・ドゥルヴェールによる「切り絵ワークショップ」 横浜市みなと総合高等学校
11.29 19:00~20h30 音楽家兼作家クレール・オペールと吉田勝明医師を迎えて

「日仏における音楽療法」/サイン会付き

大倉山記念館、

第10集会室

 

名古屋

11.24 15:00~17:00 パートナー用のイベント、名古屋大学にてエレーヌ・ドゥルヴェールによる「切り絵ワークショップ」 名古屋外国語大学
18:30~20:30 エレーヌ・ドゥルヴェールによる「ポップアップワークショップ」/サイン会付き アリアンスフランセーズ名古屋

 

京都

10.12 14:00~15:30 村上春樹の短編小説を漫画化したバンド・デシネ作家PMGLの講演会とサイン会。司会:森田美里/書籍販売あり 京都外国語大学
11.12 14:00~16:00 Elyon’sによる講演会「フランス語圏アフリカ諸国における日本マンガの影響:カメルーン人作家・エリヨンズの場合」。司会:ユースギョン 京都国際マンガミュージアム
11.19 14:00~16:00 エレーヌ・ドゥルヴェールによる「ポップアップワークショップ」/サイン会付き

関西日仏学館、
メディアテーク

12.2 14:30~15:30 クレール・オペールによる講演会・ミニ演奏会「シューベルトの手当 : 音楽と医療ケア」

関西日仏学館、
稲畑ホール

 

大阪

11.18 13:30~15:30 こども本の森中之島にてエレーヌ・ドゥルヴェールによる

「子ども向けのワークショップ」

こども本の森中之島

 

福岡

11.23 14:00~16:00 エレーヌ・ドゥルヴェールによる「ポップアップワークショップ」/サイン会付き 九州日仏学館
12.1 15:00~16:40 西南学院大学にて対談「クレール・オペールを迎えて」。

司会:真下弘子

西南学院大学、百年館
19:00~20:00 クレール・オペールによる講演会・ミニ演奏会「シューベルトの手当 : 音楽と医療ケア」/サイン会付き 九州日仏学館、
メディアテーク

 

 

パートナー

  • 代官山 蔦屋書店