伝説的映画監督ジャン・ユスターシュの全貌に迫るレトロスペクティブ。フランソワ・トリュフォーやジャン=リュック・ゴダールからも⽀持を受け、映画史に残る恋愛映画の傑作『ママと娼婦』で⼀躍時代の寵児となるも、2本の⻑編とわずかな中・短編を⼿掛けただけで、42歳にして拳銃⾃殺を遂げ、「呪われた映像作家」とも⾔われてきたユスターシュ。これまでなかなか見ることができなかった彼の作品が、4Kデジタルリマスター化され、カンヌ国際映画祭でお披露目された後、昨年から今年にかけてパリ、ニューヨークをはじめ、世界各地で発見されています。日本でも今年8月から特集が開催されて、東京日仏学院で開催される「ジャン・ユスターシュ映画祭 パート 2」では、代表作『ママと娼婦』をはじめ、彼のもうひとつの顔であったドキュメンタリー作家としての魅⼒も堪能できます。新たに加わった上映作品は、彼の⽣誕地でおこなわれているある⾏事を記録した『ペサックの薔薇の⼄⼥』と『ペサックの薔薇の⼄⼥ 79』、豚の屠畜をテーマにした衝撃の実験的映画『豚』、⾃らの祖⺟の姿を映し出す『ナンバー・ゼロ』、公開時には物議を醸した問題作『不愉快な話』、息⼦のボリス・ユスターシュも姿を⾒せる短編『アリックスの写真』。

世界の映画ファンを熱狂させる映画作家ユスターシュの映画史に刻まれる傑作群をぜひご堪能下さい!

 

上映作品:

・わるい仲間 (1963年)

・サンタクロースの眼は青い(1966年)

・ペサックの薔薇の乙女(1968年)

・ペサックの薔薇の乙女79’(1979年)

・豚(1970年)

・ナンバー・ゼロ(1971年)

・ママと娼婦(1973年)

・ぼくの小さな恋人たち(1974年)

・不愉快な話 第1部・第2部(1977年)

・アリックスの写真(1980年)

 

ジャン・ユスターシュ Jean Eustache

1938年11月30日、仏ジロンド県ペサックの労働者階級一家に生まれる。父は共産党員だった。両親の離婚後、母方の祖母に育てられ、その後ナルボンヌに住む母と暮らし始める。同地で電気工の職業適性証書を取得。57年にパリに出て、フランス国有鉄道の一般工員として働く。シネマテーク・フランセーズに足しげく通う映画狂でもあった。また59年、アルジェリアへの徴兵忌避で手首を切って自殺を試み、短期間精神病棟に送られた。カイエ・デュ・シネマ誌で秘書を務めていた妻ジャネット・ドゥロを介して、あるいはシネマテーク通いをつうじてジャン゠リュック・ゴダール、エリック・ロメール、ジャン・ドゥーシェ、ジャン゠ピエール・レオー、ポール・ヴェッキアリといった映画関係者と知己の仲となりロメールやドゥーシェの短編映画製作に参加。62年にはヴェッキアリの助力で、初監督作にあたる短編『夜会』(未完)を、翌63年に中編『わるい仲間』を発表した。67年にドゥロと離婚した後、交際した女性の一人フランソワーズ・ルブランとの関係に一部基づいた初の長編劇映画監督作『ママと娼婦』(73)で一躍国際的注目を集めるが、続く長編劇映画『ぼくの小さな恋人たち』(74)は興行的に失敗。以後は実験的な短編・中編映画、および記録映画のみを監督。81年5月にギリシャでテラスから落下、脚を骨折。残りの人生を脚が不自由なまま過ごすことになると知り絶望する。同年11月5日、パリの自宅で拳銃自殺を遂げる。

 

トークイベント開催

10月8日(⽇) 15:15
『豚』&『不愉快な話』上映後
登壇者:遠⼭純⽣さん(映画評論家)、吉⽥広明さん(映画評論家)
10月21日(⼟) 16:30
『アリックスの写真』&『ナンバー・ゼロ』上映後
登壇者:坂本安美 (アンスティチュ・フランセ 映画プログラム主任)
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  • 2023-10-06 - 2023-10-22
  • 00:00
  • 上映開始15分開場、整理番号順にご入場頂けます。お席は自由席です。
  • Teketにてご予約頂けます。『わるい仲間』&『サンタクロースの眼は青い』、『ママと娼婦』、『ぼくの小さな恋人たち』ー一般1,900円/アンダー30割:1,300円、その他ー一般1,500円/アンダー30割:1,000円
  • 劇場内ではフタつき飲料以外のご飲食はお断りしております。
  • Institut français Tokyo - Espace images
    〒 162-8415
    15 Ichigaya-funagawara-machi, Shinjuku-ku Tokyo

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