詩人、映画理論家、そして『三面鏡』、『アッシャー家の末裔』などで有名なアヴァン・ギャルド作家ジャン・エプシュテインは、1929年~1934年、新しい映画形態を模索し、 ブルターニュ地方や周りの島々の厳しい海の生活を背景に、漁師や島の人々を役者として映画を撮りはじめる。「ブルターニュの詩」と呼ばれるこれら美しい作品たちは海を巡る一大絵巻を構成し、幻想的な新しいレアリスムが生まれた。自然の驚異を前にした島の女性たちの顔を捉えた映像が圧倒的に美しい。

 

L'Or des mers (Jean Epstein, 1932) - HENRI - La Cinémathèque française海の黄金 L’Or des mers

(1931年/フランス/72分/デジタル/モノクロ)

島で最も貧しい男が、海岸で不思議な箱を発見する。箱が宝物だと想像する住人たちは、たちどころに男をもてはやし始める。男亡き後、今度はその娘を誘惑し、秘密を探ろうとするのだが……。

 

 

 

揺りかご Les Berceaux

(1932/フランス/6分/デジタル/モノクロ)

トーキー初期に考案された「撮影されたシャンソン」で、プロモーション・ビデオの先駆けといえる作品。シュリ・プリュドムによる詩にガブリエル・フォーレが作曲、フォーレのもっとも有名な楽曲のひとつ。音楽に合わせて、船乗りの妻が家で赤ん坊を抱いている間に、カンカレ湾とサンマロ湾を出港する船が朝日に照らされて沖へ出ていく様子が映し出される。光と風の音楽がメロディと響き合うエプシュテインによる真珠のような逸品。

 

 

 

 

Le Tempestaire - CinéLoungeテンペストLe Tempestaire

(1947年/フランス/22分/デジタル/モノクロ)

大海原に出た婚約者が戻らず心配する娘。彼女は、祖母の勧めで天候を操るとされる魔術師「テンペステール」を探す旅に出る。「本作を作るために、最初に協力を求めた”登場人物”とは、それは明らかに嵐(テンペスト)だった」。(ジャン・エプシュテイン)

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  • 2023-07-28 - 2023-07-28
  • 19:00
  • 開場:15分前、Peatixで購入時に発行される整理番号順でのご案内となります。
  • 一律:1,100円 ※チケットは Peatixにて7/6(木)14時より発売いたします。上映当日窓口での販売はございませんのでご注意ください。
  • 東京日仏学院(03-5206-2500)
  • 上映開始10分後以降の入場は、他のお客さまへの迷惑となりますので、お断りいたします。
  • 東京日仏学院 エスパス・イマージュ
    〒 162-8415
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